ファイナンシャル・プランニング

老後の生活や生前対策を考えるにあたって、お金の問題を避けて通ることはできません。遺言書や生前契約書は法的なアプローチですが、資金的な裏付けがなければ絵に描いた餅になりかねませんし、不安や心配といった感情はお金に関連して生じること多いため、財務的なアプローチも重要です。当事務所ではファイナンシャル・プランニングの技法を通じて、お金に関するお悩みにも対処します。

ファイナンシャル・プランニングを専門的に行う人はファイナンシャル・プランナー(FP)と呼ばれます。FPが対象とするのは人の生活と人生、すなわちライフです。お金に関わる分野の中で保険や不動産といった特定の分野だけ、人生のライフステージの中で成長期や老年期といった特定のライフステージだけを切り出して扱うことはしません。もちろん住宅ローンに強いFPやシニアライフに強いFPといった具合に何かに重点を置くことはよくありますが、それでも基本的なテーマはライフ全体であることに変わりはありません。お客様の「人生の幸福の最大化」を最終目標に掲げ、今お困りの具体的なお金の問題に関して助言を行うのです。

当事務所は日本FP協会所属のFPとしても活動しており、「相続設計」と呼ばれる種類のファイナンシャル・プランニングをご提供しています。相続設計では分野を横断した総合的なアプローチを用います。また相続の問題を人生の流れの中で捉えますので、遺産分割や納税といった相続発生時の問題だけでなく、老年期の生活設計、場合によっては遺族の生活設計までを含めて包括的に検討することになります。

お金の問題に対するアプローチとしてファイナンシャル・プランニングが優れている点の一つは、具体的な方法論が確立していること。お金にまつわる悩みは漠然と悩んでいても解決しません。当事務所の相続設計は、FPSB(Financial Planning Standards Board)というFPの国際団体が定める標準的な手続に従った以下のステップから構成されます(一般的な場合)。

STEP1 お客様との信頼関係の構築

相続設計では、お客様の個人情報を取り扱ったり、プライベートな話題に踏み込んだりすることになります。そのため、まずお客様と顔合わせをして基本的な関係を構築します。相続設計のプロセスやポイントの説明を行い、お客様のニーズに当事務所が合致しているか確認します。お見積もいたします。その上で、当事務所の依頼するかどうかご検討ください。ご依頼いただく場合には、詳細を定めた契約書を取り交わします。

STEP2 情報収集と目標の明確化

お悩みを解消する上で必要な情報を入手するため、アンケート形式の質問と実際の面談でのヒアリングを行います。数値化できる情報だけでなく、お客様の価値観やライフスタイル、推定相続人との関係といった数値化できない情報についても伺います。各証明資料を取り寄せて、相続人調査や財産調査を行うこともあります。

このステップで重要となるのは、お客様の生活・人生における目標の明確化とそれに基づく経済的な目標の明確化です。この部分は当事務所とお客様の共同作業になります。まず、お金以前の問題としてお客様が「どう生きてどう死にたいのか」(これをファイナンシャル・プランニングではライフデザインと呼びます)を十分に話し合い、それを具体的なライフプランに落とし込みます。次にできあがったライフプランを金銭的な観点から数値化してファイナンシャルプランを作成します。プランでは、各項目の優先順位付けやスケジュールなどの詳細も具体的に設定します。具体的なプランによって目標が明確になります。

相続設計の場合、目標は主に以下に関する内容となるでしょう。

  • 今後の生活
  • 遺産分割
  • 相続税の納税
  • 相続税の節税

STEP3 現状の分析と解決方法の検討

STEP2で収集した情報を資料にまとめ、現状を把握します。作成する資料はケースバイケースで異なりますが、主に以下の資料です。

  • 家系図

戸籍上および戸籍外の人間関係をまとめたものです。各人の性格やお金に関する考え方も付随情報となります。

  • ライフイベント表

お客様と家族の将来の計画(イベント)を時系列でまとめたものです。

  • 個人キャッシュフロー表

毎年の収支を一覧にしたものです。余裕を持った100歳までの人生を目安にするなどして生涯の収支をまとめます。

  • 個人バランスシート

現時点のすべての財産と債務を評価し記載したものです。相続発生時の予想バランスシートも作成します。

  • 相続税試算表

予想バランスシートに基づき、相続税の申告の要否や、どれくらいの相続税がかかるかを試算する表です。

これらの資料から現状が把握できたら、お客様の目標に照らした現状の問題点を洗い出します。このままでは目標が達成されないと判明した場合には、対策を練る必要があります。具体的には、お客様のライフデザインに基づき適切と考えられる代替的なファイナンシャルプランを考案し、それを実行した場合にキャッシュフロー表やバランスシートがどう変化するか、それで問題が解決するかを、シミュレーションすることになります。

STEP4  提案書の作成と提示

STEP2とSTEP3の内容を提案書の形にまとめます。一般的に提案書には以下の内容が記載されます。

  • お客様のご希望と目標
  • 現状分析と問題点の提示
  • 対策の提示
  • 対策の実行により期待される効果の分析

提案書をお客様に提示します。わかりやすく説明するのはもちろん、疑問点や質問があれば丁寧に回答いたします。

STEP5  対策の実行援助(オプション)

STEP4で提示した対策について、お客様のご希望に応じて、実行をお手伝いします。具体的には、提示した代替的なファイナンシャルプランの実行代理や実行のための助言を行います。その際、法令や規則に基づき援助の内容が限定される場合があります。当事務所は行政書士と税理士の資格も取得しているため、対応可能な援助の範囲は比較的広いのですが、対応できない場合には他の適切な専門家におつなぎします。

STEP6 対策の見直し(オプション)

ファイナンシャルプランは一度作成し実行したら終わりというものではありません。状況の変化やお客様ご自身の考え方の変化などにより、見直しが必要となることがあります。老年期には不慮の病気や急な引越等による状況の変化に見舞われる可能性がありますし、揺れ動く自分の気持ちに正直に相続対策がしたいというお考えの方も多いことから、相続設計におけるファイナンシャルプランの見直しのニーズは高いと考えられます。当事務所では随時又は定期的なプランの見直しにも対応しています。お金にまつわるお悩みをいつでも相談できるかかりつけのFPとしてもご利用いただけます。